終了イベント<2008年>

送信所ナイト<2008年2月23日(土)実施>

送信所ナイト・告知画像

講演に聴き入る参加者

さる2008年2月23日夜、千葉市・検見川の検見川公民館で「送信所ナイト」と題するイベントを開催し、市民、専門家、4人の市議ら約50人が参加しました。

当日は季節外れの台風が首都圏を来襲し、お月見どころではなくなりましたが、風と雨が吹き荒れる中、イベント開始30分前ごろから2人、3人と参加者が集まりだし、最終的には40~50名を数える大盛況となりました。椅子が足らなくなり、急遽近隣から調達するなど、スタッフ一同、心強く感じるイベントとなりました。

検見川送信所は1926年竣工。東京中央郵便局、大阪中央郵便局を手掛けた逓信省の吉田鉄郎氏が設計。1930年には、日本初の国際放送を行うなど、日本の通信史のなかで大きな役割を果たしました。しかし、通信技術の変化、近隣の宅地化による環境の変化により1979年に閉局、以後、廃墟状態が続いている。現在は所有権がNTTから千葉市に移り、区画整理事業の中では取り壊しが決まっています。

建築史家・倉方俊輔氏
建築史家・倉方俊輔氏

第2回目となる同会のイベントは、建築史家の倉方俊輔氏が建築史における送信所の価値を語った講演がメーン。同日午後、行われた見学会にも参加し、その姿を初めて見た倉方氏は「予想以上に素晴らしい建物で、感銘を受けた。送信所は吉田建築の変遷を知る上でも重要な建物。しかも、送信所ということに価値がある。ほかに替えがたい存在だ。外観だけでも素晴らしいが、これは建物である。その活用には現代の知恵が問われている。これを残さずして何を残すというのか」などと話しました。

竣工当時を再現・菊地氏作のCGパース

また、近代建築史を研究している埼玉県在住の建築士・菊地潤氏が竣工当時の姿を再現したCGパースや映像を上映。ミニシンポジウムでは会場からも「送信所を残したい」との意見が出て、仲佐秀雄代表は「千葉市では現在、地域文化財の情報提供を呼びかけている。これを機に送信所の価値を見直すよう訴えたい」などと話しました。

見学会

『送信所ナイト』開催に先立ち、午前中には検見川送信所の見学会が行われました。春一番の大風が吹き荒れる天候でしたが、こちらにも東京、埼玉の建築ファン、地元市民ら約30人が集まりました。送信所OBによる説明を聞き、全盛期の姿に思いをはせていました。

 

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