終了イベント<2008年>

(社)日本建築学会シンポジウムが開催される<2008年6月30日(月)>

シンポジウム案内板

検見川送信所の設計者である吉田鉄郎氏をテーマにしたシンポジウム「日本における近代建築の原点-吉田鉄郎の作品を通して」が6月30日(月)、東京都港区芝の建築会館ホールで行われました。吉田氏の代表作である東京中央郵便局をめぐっては38階建てにする計画が6月25日に発表されたばかりとあって、 200人近くが参加しました。

主催者側の快諾をいただき、参加者全員に配布されるパンフレットに「検見川送信所を知る会」の活動を記したA4版(両面)のフライヤー(PDF)を挟み込んでいただきました。

会では最初に、吉田氏の故郷である富山テレビが制作したドキュメンタリー「平凡なるもの~建築家 吉田鉄郎物語」(5月19日、同局で放送)が上映。続くシンポジウムでは芝浦工大の南一誠教授が司会し、同ドキュメンタリーの東亜希子・富山テレビディレクター、東京大学の鈴木博之教授、吉田氏のドイツ語による建築書を翻訳した田所辰之助日本大学准教授、「東京中央郵便局を重要文化財にする会」の兼松紘一郎氏らが登壇。

シンポジウム会場

冒頭、南教授からは「このシンポジウムは東京中郵の保存が目的ではない」との前置きがありましたが、鈴木教授が「そうは言っていられない」と切り出し、東京駅周辺をめぐる建物事情について「首都の顔であるターミナル駅がこれだけ激変している例は諸外国を見渡してもない」と指摘しました。

また、兼松氏は「建て替え案発表には既成事実を作ってしまおうという郵政側の意図を感じる。なくなるよりは一部を残す方がマシとの声があるが、レプリカなんてありえない。それなら壊した方がいいくらいだ」と批判。

建物など文化財保存に大きな関心を持つ民主党の河村たかし議員も客席から「裁判を起こして、最後は座り込みだ。建物を建て替えて、喜ぶのは郵便局の25万人だけ。1億人の利益にはならない」などと話しました。東京中郵をめぐっては河村議員だけではなく、超党派の国会議員140人以上が署名を行い、保存を呼びかけています。

検見川送信所には具体的な取り壊し計画は発表されていませんが、依然として保存、利活用の道筋は出ていません。「検見川送信所を知る会」としては東京中郵の動きにも注目していきたいと思います。

 

ツイッターで「検見川送信所」をフォローしよう!

facebookページで最新情報をゲット!

inserted by FC2 system