終了イベント<2009年>

千葉市教育委員会主催「検見川送信所保存に関する意見交換会」
<2009年1月30日>

今回の意見交換会は千葉市教育委員会生涯学習振興課主催による「旧検見川無線送信所」に関わる意見交換会がさる2009年1月30日午前、千葉市ポートサイドタワーで行われ、検見川送信所の保存要望を出している「検見川送信所を知る会」「千葉県建築家協会」「検見川町跡地対策委員会」の3団体の代表が初めて一堂に会しました。三者の思いは共通のものであることがしっかりと確認できる内容で、また一歩前進したことを感じさせる会合となりました。

また、千葉市側は席上、来年度の予算編成で送信所の調査費用として1,300万円を計上したことを明らかにしました。予算が通過すれば、4月以降、本格的な調査が行われることになります。

冒頭、生涯学習振興課から、今回の意見交換会について「意見を1本化したいというわけではなく、今後の検討材料の一つにしたい」との趣旨説明がありました。

3団体はそれぞれの立場から保存、利活用の考えを説明。その後はフリートークという形で進んでいきました。

検見川送信所近影

3団体それぞれの意見・提言

建築家協会
「文化財的に価値のある建物を残していくためには活用していかなければいけないと思っています。利活用の方法に関しては、それに適した方法があるのではないか。もちろん、地元の声は非常に大切であります」
跡地対策委員会
「建物を地域のために残したいという思いは変わりません。ただ、何億円もかかったため、住民が望む、ほかの施設が建たないということにならないか、心配しています」
知る会
「我々は地域の市民運動であり、送信所について勉強し、そこで得たことをインターネットなどを通じて、みなさんに伝えていこうというものです。より広い議論になれば、と思っています。これまでのイベントでは多くの方が参加していただき、会員数も増え、全国から多くの関心をいただいています。利活用に関しては、地元の要望を尊重して欲しいと思っています。区画整理事務所などは文化財だと理解していただき、環境整備をしていただいたことに大変感謝しています」

一方、地元、検見川連合町内会の代表者が集まる「跡地対策委員会」からは「千葉県建築家協会」に対し千葉市指定文化財にするよう要望した理由についての質問が出ました。

建築家協会側は国登録文化財になっている東京・銀座の歌舞伎座が近く改築のため取り壊されるという例を挙げ、「千葉市側が念頭に置いているという国登録文化財は、建て替えたいと思えば壊すことも可能。市指定を望んだのは、千葉市に対し「送信所をしっかり保存、利活用して欲しい」という思いがあるからです。また、千葉市が主張しているような『市指定文化財では利活用できない』ということは決してありません。現にさや堂ホールも市指定文化財として利活用されていますし、国の重要文化財であっても、国立美術館などは喫茶店なども備えています。建物が残るから、用途を考えるのではなく、大切な文化財であることをふまえて、建物にあった用途を考えていくことが大事ではないでしょうか」と話しました。

これに対して千葉市教委側は、「文化財保護審議会の話し合いを経て決定することになりますが、国登録文化財を念頭に考えています。市指定という場合、「可能な限り『復原する』」というのが基本的な考え。送信所は地域からも利活用を望む声があり、尊重していきたい」と従来の主張を繰り返し、「指定になった場合は使い勝手が悪いからといって変更は効かない」とデメリット面を強調していました。

実際に内部見学も行った建築家協会側は「内部のおのおのの部屋は広く、パーテーションなどで区切ることは可能で、どんな用途であっても、大幅な変更は必要としないと考えられます」と住民側に説明しました。地元の考えとしては、文化財としての価値にも理解を示しながらも、「市指定では活用できないのでは」「跡地全体に予算が及ばないのでは」といった不安があったようです。しかし、建築家協会からの説明で理解をされたように思われました。

 

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