終了イベント<2009年>
熊谷千葉市長が検見川送信所内部を視察しました
2009年10月30日午前、千葉市長の熊谷俊人氏が「知る会」スタッフや日本建築家協会員らとともに検見川送信所を訪れ、初めて内部を視察しました。
今回の見学会は、さる2009年8月28日に「知る会」が熊谷市長に対して、送信所の保存・利活用を求める要望書を提出した際に出た、市長の「年内に送信所内部を見たい」という意向を受けたものです。
当日は市長の到着に先立ち、午前9時過ぎに千葉市職員が扉を塞いでいた鉄板を一時的にはずし、投光器をセットして見学会に備えました。
「知る会」スタッフや報道各社の記者が三々五々集合したところで、午前10時に熊谷市長が到着。千葉市生涯学習部・河野部長による簡単な説明の後、さっそく一同はヘルメット姿で懐中電灯を片手に送信所内部に入っていきました。
千葉市長が初めて送信所内部を視察…保存へ向けて歴史的転換点
歴代も含めて千葉市長が送信所の内部を視察したのは今回が初めてです。
閉局から30年。周辺の再開発にともなって送信所は千葉市に移管されましたが、元々は壊される運命だった送信所をかえりみる人は少なく、しかも内部は立ち入り禁止の措置がとられているため、歴代の市長が内部を視察することもこれまでありませんでした。
「知る会」では、建物の保存にあたっては現在の所有者である千葉市の首長が内部を視察し、現実の姿を体感していただくことが肝要である、との認識のもと、発足当初から歴代の千葉市長に対して送信所内部の視察を強く要望してきただけに、今回の熊谷市長の視察はその願いがかなえられるとともに、送信所の保存・利活用に向けて大きな歴史的転換点に至ったと考えています。
「知る会」メンバーで送信所のOBでもある岩佐悦次氏、日本建築家協会関東甲信越支部の安達文宏氏の2名が案内役となり、代わる代わる説明しながら市長を案内。市長も2人の説明に熱心に耳を傾け、建物内部の至る所に懐中電灯の光を当てて目に焼き付けるかのような眼差しで各部屋を見学していました。
さて送信所の内部は、建具のガラスが粉々になって床に散らばっていたり、内壁の仕上げ材が劣化してパラパラと剥がれ落ちたりはしているものの、閉局後30年を経過したにもかかわらず雨漏りはほとんど見られず、おおむね良好な状態が保たれています。保存・利活用が決まったとして、原状復帰や保全にかかる作業は、さほど大がかりな規模にはならないようにも思えました。
約30分にわたって、建物の1階・2階部分をそれぞれくまなく見学した熊谷市長は、「長年の希望が今日、ようやくかなえられた」と見学会が実現した喜びを語るとともに、「送信所の保存」を明言、その方法論については今後の調査結果をもとに議論を進めていくことを表明しました。
午後は、JR新検見川駅前の『はなのわ広場』を会場に、検見川送信所の歩みを解説したプレゼンテーションや検見川送信所をはじめとする逓信建築に関わった著名建築家とその作品について解説したWebコンテンツを上映する『文化遺産・検見川無線送信所は何を成し遂げたか』を開催。送信所に関心のある方々が集まり、夕方まで上映会を行いました。
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