ニュース<2008年>

検見川送信所がDOCOMOMO Japan選定建物に加わる
-2008年6月30日

20世紀の重要なモダニズム建築物を選定し、保存を提言する国際的組織DOCOMOMOの日本支部「DOCOMOMO Japan」(ドコモモ・ジャパン)が、このたび検見川送信所を加えました。吉田鉄郎の設計による建築として既に東京中央郵便局、大阪中央郵便局などが選ばれていますが、その用途を終え、廃墟化している建築物が対象となるのは異例なことです。

DOCOMOMO(Documentation and Conservation of buildings, sites and neighbourhoods of the Modern Movement=モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録・調査および保存のための国際組織)は、1988年に設立した国際的な建築団体。その日本支部であるDOCOMOMO Japan(代表・鈴木博之東京大学大学院教授)は2000年の設立以来、価値の高いモダニズム建築を選定しており、2003年9月には「DOCOMOMO100選」を発表しましたが、その後も毎年、選定数を増やしています。

検見川送信所を含む07年度選定分10件の選定は本年5月、京都で行われた総会でDOCOMOMO Japanとしての選定が承認され、さらに諸承認プロセスを経てこのほど正式な決定となりました。選定数は累計135選になるとのことです。

選定プロセスは、事前のDOCOMOMO会員による推薦に基づくコア・メンバーによる非公開討議が繰り返され、地域,建物用途,設計者が偏らないよう慎重に進められたとのことです。

検見川送信所の場合、特に「無線送信所」という近代的なビルディングタイプ(=用途)の建物としての稀少性が評価されたものと思われます。

こうして選定は公正かつ慎重になされましたが、この選定にあたっては、DOCOMOMO会員でもある「知る会」の菊地潤氏の尽力があったことを挙げておきます。

また、京都会館で開催されたDOCOMOMO総会の際には、実名こそ挙げられなかったものの保存、利活用を訴える市民団体の存在にも言及されており、我々に対する力強い援護射撃の意味合いを含んだものと受止めております。

当「知る会」としても権威ある組織による今回の選定を“資産”として活かし、これまで以上に建物の真価を訴え、保存、利活用につなげていく所存です。

 

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