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- 2008年12月1日
ニュース<2008年>
ついに内部公開! 意外に保存状態は良好
2008年11月26日に検見川送信所内部見学会
さる2008年11月26日、日本建築家協会関東甲信越支部が千葉市に許可を取り、検見川稲毛区画整理事務所の職員立ち会いのもと内部見学会を行い、「知る会」事務局も参加しました。
送信所は1979年に閉局。以後、廃墟となった。一時期は自由に出入りできたとのことですが、1993年に千葉市とNTTが土地を等価交換。周辺の区画整理を進める千葉市は、送信所跡地を中学校用地と位置づけて建物を取り壊すこととしたものの、高額の費用がかかるため解体そのものは先送りになり、今に至っています。
廃墟となった建物には、若者がたむろするようになり、治安を憂う地域住民からの要望を受け、2000年ごろに建物の扉と窓には鉄板が打ち付けられ、その後は中の様子をうかがい知ることができなくなっていました。
今回の内部見学会は1993年以降、初めて外部に公式に認められたものとなります。
詳しくは日本建築家協会の会員である安達文宏氏によるレポートをご覧ください。また見学会のもようは、事務局長の久住コウ氏がビデオに収録し公開しています。
【プロダクションノート-久住コウ】外観以上に素晴らしかった内部
僕らはヘルメット、軍手、マスク着用の上、懐中電灯を持って歩いた。
以前、建築家の方は「壁の爆裂(コンクリートが剥がれて、鉄筋がのぞいている状態)は屋根の防水が切れて、壁を伝わったものではないか」と指摘された。
内部を見ることができるというのはうれしい反面、状態が悪かったらという不安もあった。窓は鉄板で覆われているだけに空気がよどんでいる可能性もある。
しかし、異臭を感じることはなかった。壁には落書きなどもあり、天井の塗装が剥がれ落ちていたり、後付の天井が損傷しているものはあったが、構造上の心配はないことが確認できた。ある方は、耐震は第一次審査でクリアできるのではないか、と話された。大正末期に建てられた建築がこれほどの強度を持っているということは驚くべきことである。
それ以上に驚いたのは、内部装飾の素晴らしさだった。送信所の特徴であるアール、パラボラアーチが随所に施されている。そのアールは1面だけが丸味を帯びているのではなくて、全体が丸くなっている。一見、シンプルながら、実は細部に渡って、凝っているのだ。
施工技術の高さ、建物としての芸術性の高さを改めて感じた。
ビデオ撮影したテープは計40分。2階部分は真っ暗で、輝度を上げるなどして対処したが、かなり見づらい部分もある。次回は大型の照明などもいれて撮影したい。こうした映像を撮り始めると、自主映画を作っていた学生時代の感覚が蘇る。準プロ仕様のハイビジョンカメラも欲しいところだ。
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